共働きが60%を超えている現在(令和2年厚生労働白書より)フルタイムの方・パートの方何かしら仕事をされている方は多いと思います。フルタイムの方は自分の社会保険に加入となりますが、パート勤務の方は旦那さんの扶養に入っている方も多いと思います。今回は、社会保険の扶養に入るための条件と勘違いしやすいポイントをお伝えします。
社会保険の扶養とは
社会保険の扶養に入ると、国民健康保険と国民年金保険がゼロになります。これが「社会保険の扶養に入る」ということです。
扶養に入るための年収の壁
106万円と130万円の壁があります。
130万円未満です。つまり、129万9,999円まで可です。多くのけんぽ組合は交通費込で130万円未満を認めています。1円でも超えてしまうと扶養に入ることはできません。
誰にとってのメリット
扶養される側です。つまり多くの方は妻です。パート勤務している人にとってメリットとなります。
どんなメリット
国民健康保険(病院にかかる時に必要な保険証)、国民年金(現在65歳以上でもらえる年金)の支払いがゼロになります。
2022年の国民年金保険料の額は月16,500円です。
国民健康保険料は年収・自治体によって違います。また40歳以上だと介護保険料もかかるので上乗せとなります。ざっとですが、年収100万円で39歳以下だと月5,000円を超えます。40歳以上だと6,000円を超えます。
ということは、社会保険の扶養に入ることで、絶対支払わないといけない国民健康保険と国民年金をはらわなくていいのね。払うと年間25万円だわ。
勘違いしやすいこと5つ
①扶養に入れれば、税金もなくなる
→なくなりません。
まず、本人(妻)の年収が100万円を超えると税金は発生します。
- 100万円を超えると住民税
- 103万円を超えると源泉所得税
ざっくり上記の通りです。生命保険控除やIDeCoがあるともう少し余裕がありますが、何が何でも払いたくない人は100万円を超えないようにしましょう。
社会保険の扶養と税金の扶養は別問題です。扶養にも入りたいし、税金もゼロがいい方は100万円を超えないようにしましょう。なお、社会保険に強制加入となる年収は本人(妻)のパート先の規模によりますが、ここでは一番ゆるい130万円で統一しています。
②年の途中で退職した場合、年収で判定される
→されません。
10月にフルタイムの仕事を辞めました。10月までの年収で200万円です。11月からは月8万円ほどのパート勤務の予定です。130万円以上なので社会保険の扶養には入れませんよね?
社会保険の扶養は「今後の収入見込み額」での判断です。なので、これから先の働き方で判断されます。つまり、月8万円で働く予定で12カ月だと96万円なので、扶養に入れますよ。
なお、次の年からは基本的には年収判断なのでその年の源泉徴収票と交通費の額が130万円以上となると外れます。
③退職したら必ず扶養に入れる
→必ずとは言えません。失業保険があるからです。
失業保険をもらわず、そのままパート勤務もしくは専業主婦となるなら扶養に入れます。しかし、失業保険を一定期間もらう場合はその期間は入れないことの方が多いです。
協会けんぽの場合、手当額が1日3,611円以下なら扶養に入れます。この基準は協会によるので確認が必要です。失業保険をもらう期間だけは自分で国民健康保険と国民年金を納めましょう。
④夫の職業に関わらず、扶養に入れる
→夫の職業によります。
夫の健康保険証を確認してみてください。「国民健康保険証」をお持ちでしたら、そもそも社会保険の扶養の概念がないので、社会保険の扶養には入れません。本人(妻)も国民健康保険に入ることになります。
⑤配偶者を扶養に入れると、夫の保険料が上がる
→上がりません。
え?私の分は誰が払うの?
健康保険組合が負担してくれているんです。なので、条件や審査は厳しく、源泉徴収票や毎月の給与明細の提出を求められることがほとんどです。違反した場合過去に遡って請求されることもありますよ。
まとめ
よく間違うポイント5つです。社会保険の扶養に入るためには、130万円未満であることが必須です。131万円だと国民健康保険料、国民年金で25万円ほど支払うことになるので、とても大変です。
自分で管理することが大切ですよ。